【ボートを漕ぐ税理士通信(ボー税通信) VOL.486】 使用貸借と借地権の関係
土地を貸借する場合には通常は権利金や地代を支払いますが、親族間では無償や固定資産税程度の負担という場合が多いと思います。この場合は賃貸借ではなく「使用貸借」といって、借地権(権利金)の贈与税課税はされません。一方、土地の評価は借地権の分を減額しないので、自用地評価になります。
支払っていない地代については、理論的には贈与税課税されるはずですが、地代を免除されている理由が生活費の援助に当たる場合またはその額が小さくて課税上弊害がない場合にはこれも課税されません。
親族間の土地の貸し借りはあまり固く考えなくても大丈夫ということですね。
(以下は少々細かい論点ですが、備忘録として)
借地権者または底地権者が親族等に変わって、地代の支払いを免除された場合、賃貸借から使用貸借に変更した(借地権が移った)とされ、借地権の贈与税課税がされる可能性があります。対策として、「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を税務署に提出することで借地権が移動していないことを確認できます。
また、使用貸借から賃貸借に変更して地代を支払ったがために借地権の贈与税課税されたケースもあります。これは使用貸借のままにするか、または地代ではなく単なる贈与であれば、借地権認定はなかったのではないかと考えられます。
(参考:松本好正講師)