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消費税

【VOL.421】 申告方式の選択検討(インボイス制度)

【ボートを漕ぐ税理士通信(ボー税通信) VOL.421】 申告方式の選択検討(インボイス制度)

2023年2月22日ボー税通信VOL407で、インボイス制度開始までの準備(やる事リスト)を紹介しました。そのうちの「⑧申告方式(本則、簡易、2割特例)の選択検討」について説明します。

まず、本則課税と簡易課税の比較検討については、2022年6月8日ボー税通信VOL370を再掲します(↓)

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添付のエクセル表(「ボー税通信_消費税試算(井ノ上)」)に前年度の実績数値などを入力して検討してみてください(表の数値はサンプルです)。
みなし仕入れ率は以下のとおりです。
第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業、農林漁業等(食用))80%
第三種事業(建設業、製造業、農林漁業等(非食用))70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(金融保険業、運輸通信業、サービス業(飲食店業を除く))50%
第六種事業(不動産業)40%

簡易課税を選択する場合には簡易課税制度選択届出書の提出が必要です。本来は2022年中に提出すべきところ、適格請求書発行事業者の登録をした場合は特例として2023年12月31日までの提出でよいとされています。簡易課税を選択する方は忘れないで提出しましょう。
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次に「2割特例」についてのポイントをまとめてみました(添付エクセル表には「2割特例」の計算も追加しました)。
・インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった者が対象(それ以前に課税事業者の選択をしている者は対象外)
・消費税額は売上消費税の一律2割で計算できる
・適用期間は令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間(∴個人事業者は令和5年分から令和8年分の4年分の申告)
・事前届出不要。消費税確定申告に2割特例の適用を受ける旨を付記すればよい。
・継続適用の制限はなく、課税期間ごとに適用有無を選択できる。

添付のサンプルでも「2割特例」がいちばん有利になっています。「負担軽減措置」ですので、たいていの場合は「2割特例」が有利になると思われます。

2割特例(国税庁HP)